The Garbage Collection(V3.0以降)blog ~十分一本勝負~

十分間だけをかけて何事かを書きます。気が向いたときとかに。

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 オリムピックに殆ど興味が向かない乃公であるけれども、それでもやっぱり先般のフィギュアスケート浅田選手が見せた、僅か一日の間に地獄と天国を行き来したような演技の凄み、にはまったく感心すること頻りで御座った。二言目にはメダルメダルと云って憚らないテレビ視聴者に対して、超弩級の天才のみが表現出来る、勝敗を超越したところにあるなにか物凄いもの、を見せつけたようでまったく恐れ入るばかりと思った。にしても、浅田選手がそんなとんでもないものを表現したと云うのに、それを伝える放送のなんとだらしのないことか。あれだけの表現をした存在に、競技が終わった直後に直接インタビューをする得難い機会だと云うのに、なんか、普段はスポーツとまったく無縁の、バラエティ番組の片隅でワイプと云うのか、小窓様の別画面の中で微笑んでいるのが仕事、みたいな女子アナの人が登場して、要約すれば「ねぇねぇいまどんな気持ち?なんでさっき泣いてたの?ねぇねぇねぇ」という知性の欠片も感ぜられない質問を丁寧語で尋ねるばかりの脳味噌つるつるなインタビューを平気に放送していて、なんつーか、所詮我が朝のスポーツの周辺は森喜朗の物言い程度の感覚にしか取り巻かれていないのだなあ。と暗澹たる心持ちになった。難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く。という井上ひさし大人がよく云っていた言葉を心に抱かんければいかんよね。

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